ペットロスエッセイ
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第1回「ペットロス」エッセイコンテスト
選 評

《第1回コンテスト ― 選評について》

初めての公募。どのような作品が寄せられるか、期待が膨らむ一方で一抹の不安もありました。が、それはまったくの杞憂に終わりました。一編、一編のどの作品もペットを喪った悲しみや悔いといったお気持ちと向き合い、語り合い、やがて昇華へと進まれる、深い愛情に彩られたすばらしいものばかり。読ませていただいていてほんとうに心が温かくなる、熱くなる、そんな作品ばかりでした。

私たちの選評の基本は3つ。第一はもちろん作者お一人お一人が、こうして作品として書き残していただくことで、ペットロス症候群などから少しでも早く立ち直っていただくこと。第二に、作品を目にされた広範な読者の方々に、ペットと暮らすことの楽しさ、すばらしさをより深く知っていただき、動物への理解や愛情をより一層促していくこと。そして第三が、必ずやってくる永遠の別れと、そしてその辛さや悲しみを乗り越える心の持ちようを、深く、温かく実感していただけるような作品をということでした。

文章表現として、あるいは構成力や文学性の面で、もっと優れている作品があったことも事実です。が、拝読していて、ご自身がペットとの別れを通してより強く、よりゆたかに生きること、生きていくことの喜びと感謝を実感されておられる、そんな姿が感じられる作品。最終選考に残った6編は、いずれもそうした魅力を、「力」を持った作品でした。つらさや悲しみを乗り越えて人は心ゆたかでやさしくなれる、そんな共感、実感をいただけた作品でした。

限られた天命だから、一瞬一瞬を裕かに生きよう、“ともに”生きよう、人間よりずっと短い一生、その死を看取り、悲しみを容け入れていくこと、それがペットを飼うということ、ペットと共に暮らすということだとあらためて教えていただいた第一回コンテストでした。選評委員を代表してそのことに心より感謝し、また次回への期待をすでに大きく膨らませていることを記させていただき、全体講評とさせていただきます。


《第1回コンテスト推奨作品一覧(6篇)

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